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ガジェルダのRF日記
SEGAのMMORPGであるRF ONLINEの生活日記です。      他に個人的な小説も少し^^;
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一話 : 落下
 今まで通った事も無い道を僕が生きてきた中で一番本気で走っている。
 何で?
 何で走ってるんだ?
 理由は?
 理由は知っている。
 だけど、何故走る?

「待ちなさい! 止まらないか!」
 後から追って来るあいつのせいだ。

 あの制服を見ると何故か心臓がドクンと鳴る。
 自分が悪い事をしたわけでもないのに心のどこかで何かを隠すように。

「はぁ、はぁ」
 息が切れて喉が痛い。
 足も棒のようになってきた。
 追ってくるあいつも同じはずなのに何故追うのをやめない。

「な、何もしていない!」
 声など出ないなずの喉からしぼり出すように言った言葉を何回繰り返したか。
「何もしていないなら、止まりなさい!」
 そうだ、止まればいい。
 ちゃんと話せば自分が関係無いって事は説明できる。
 なのに、何故逃げている?

 地面を蹴っているはずの足の裏の感覚が不意に無くなった。
 転んだ?
 違う、転んじゃいない。
 落ちている。
 落ちているんだ。

 穴?
 工事か何かの穴が開いていたのか?
 それとも、マンホール?
 そんなはずは無い。
 僕は前を見ていた。
 確かにそこに道はあった。
 なのに落ちた?

 一瞬目の前が真っ白になった。
 何も見えない。
 ドンと背中を強く打った。
 肺の中に残ってい物が口から全て吐き出された。
 息が止まる。
 そして、関を切ったように肺に空気を送り込む。

 痛みで体を丸め力を込めた。
 転んだ?
 そうだ。
 今、自分の体の半分が触れているのは地面だ。
 土?
 この感触は土だ。
 
 痛みが薄れてくる。
 ゆっくりと体を伸ばすとズキンと痛みが背中を走る。
 だけど、動けない痛みじゃない。
 両手を地面について体を支えるように四つん這いの格好になる。

 何だ?
 おかしいぞ。
 土の地面。
 自分が見ているのは確かに土の地面だ。
 そして、この微かな匂い。
 草の匂い。
 木の匂いだ。
 僕が住んでいた所には無い匂いだ。
 僕の記憶をたどればそれは森の匂いに違いない。

 ゆっくりと頭を起こして周りをみる。
 森だ。
 森の中にできた道に僕はいる。
 どうして?
 確かに僕はさっきまで大都会のビルの間を走っていたはずだ。
 少し泥臭い臭いのする暗い路地だったはずだ。

 夢?
 これは夢なのか?
 もしかしたら僕は何かの拍子で気を失って夢を見ているのか?
 そうだ。
 夢の中で夢だと気付く事は小さな頃から何回あった。
 そんな時はいつも怖い夢だった。
 事実と受け止めたく無い。
 事実であるはずでないと夢の中の自分が思った時にそう思う。
 夢なら覚めるはずだ。
 そう、いつも夢が夢だと思った次の瞬間に目が覚める。
 そして、夢だったんだと確信する。

 頬を草の匂いを含んだ風がなでていく。
「何故、覚めない?」
 夢ならこれで終わりのはず、この先に続きはないはず。
 だけど・・・何故この夢は続く・・・。

「夢では無いからだ」
 不意に後から声をかけられた。

 人?
 誰が僕に話しかけている?
 さっきの警官か?
 いや、ならかける言葉が違う。
 じゃあ誰だ。

「落ち着きたまえ」
 まるで僕の心を読んでいるかのようにその声の主は僕に話しかける。
 振り向いて確かめるべきなのにそれができない。
 それをしたら何か取り返しのつかない事になるような気がする。
 振り向いてはいけないと何かが警告している。

「怪我をしているのか?」
 ジャリっと後の人物が動いたのがわかる。
 その瞬間、僕は這うように前に出てそのままクルリと体を後に向けてひねった。

 振り返ってしまった。

 僕の目がその人を見たまま瞬きが止まった。
 何だ。
 これは何だ?

「動けるようだな」
 その声に敵意は無いように聞こえる。
 普段の僕なら急いで立ち上がり普通に答えるだろう。
「大丈夫です」と。
 だけど今、僕の頭は物事を考える為の大事なプラグが抜けてしまったのかのように真っ白になっている。

 その人は顔の上半分を黒い仮面のような物で隠している。
 見えるのは仮面の目の部分からのぞく瞳と口元だけだ。
 そして服装はと言えば、映画で見たことがある中世の鎧みたいな物を着けている。
 色は仮面と同じく黒だ。
 背中にはこれも映画の中で見た事のあるマントだ。
 マントまで黒い。
 もし、真夜中に会えば闇にまぎれてしまうんじゃないかという格好だ。

「驚いているのだろう?」
 その男は僕の今の状態を理解しているとでもいうように話しかけた。
「そうだろうな。いきなりこの世界に落ちてきたんだ。驚かない方が変だからな」
「落ちて・・・」
 思わず男が言った言葉を繰り返した。
「そうだ、君はこの世界に落ちてきたんだ。とにかく立ちたまえ」
「どういう事ですか、落ちてきたって。何なんですか、これは」
 僕は立ち上がる事も忘れ男に問いただした。
 いきなり男が近づいて僕の腕を掴むと力任せに僕を立ち上がらせた。
「まあ待て。こんな場所で立ち話をしていても日が暮れてしまうし危険だ。もう少し安全な場所へ移動しよう」
 掴んでいた手を放して男はそう言いながら周りを見渡した。
「こっちだ」
 言うなり男はきれいに引かれた道ではなく、森の中へ入ろうとした。
「ま、待ってください! いったい何が起こったんです! ここは何処ですか! 僕は何でこんな所に!」
 僕がまくしたてると男は顔だけを僕に向けて言った。
「ここは君の居た世界ではない。 君は世界の<ほころび>から落ちたんだ」
 ほころび?
 世界の<ほころび>って何だ。
 そんなのは聞いた事もない。
「ここはアデリディアート。 いくつもある世界の中の一つだ」

 アデリディアート。
 そんな国って世界地図に載ってたか?

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この記事に対するコメント
初めまして
行き成りで大変失礼とは思いますが、ガジェルダさんのブログへのリンクを張らせて頂きました。
不都合が御座いましたら、御連絡ください。

【2006/10/07 00:17】 URL | 神那智樹 #qVZuasY6 [ 編集]


ほ~、本格的ですね
続き楽しみにしてますね
【2006/09/17 11:37】 URL | 紅麗 #- [ 編集]


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